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≪Chapter2≫いすゞエアープロセシングユニット(APU)付き
大型車両のスプリングブレーキ解除について

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大型自動車写真

 今回は、いすゞ自動車の大型車ギガに搭載されているAPU(エアープロセシングユニット、図参照)付き車両のスプリングブレーキ解除について解説します。

 大型や一部の中型トラックの場合、メインタンク内の空気圧が3,5kg/cm以下になってしまうと、スプリングブレーキが作動し、けん引移動は不可能です。特に4軸低床シャーシの場合リリースポルトを使用して解除するのは困難を極め時間がかかる作業となります。そこでAPUユニットからスプリングブレーキラインのナイロンチューブを取り外しそのチューブから直接エアを供給することにより容易に解除する方法を解説いたします。

 

構造 エアープロセシングユニット(APU)
APU構造図
 APU付きの車両では、エアドライヤからMPV(マルチプロテクションバルブ)にて各系統(ブレーキ、アクセサリー、エアサス等)へエア圧の調圧、分配供給を行います。よって、従来の方法のように単純にメインタンクへエアを注入する方法では解除が出来ない場合があります。そこで、このMPVに入るナイロンチューブへ直接エアを送り込むことによって、より短時間で、安全にスプリングブレーキの解除を行うことが出来ます。


写真1
写真2
写真3
写真1  MPV本体  ホース注入側
写真2  車体に付いた状態
写真3  車両外側より

1、まず、通常通りレッキング作業を行います。
2、次に、メーターを確認し、タンクに残圧がある場合は各タンクのドレンコックからエアを抜きます。

 (のちに行うMPVからナイロンチューブを抜く際、残圧があると危険な為)
3、エアドライヤの裏にあるMPVの23番ポート(12φ)及び25番ポート(8φ)のナイロンチューブを、チューブプーラー等を使用して引き抜きます。
  (写真1の右列上から2段目、3段目。写真2のオレンジ色のチューブが23番及び25番ポート。)


写真4
写真5
写真6
写真4
写真5
写真6

4、引き抜いた23番及び25番ポートのナイロンチューブに、写真4のナイロンチューブ用のチャックを用いてエア(8,5kg/cm以上)を注入します。
※写真5・6では、実際にはAPUユニットが車両に付いていますが、写真が撮りづらい為APUユニットを取り外している状態の写真を撮影しました。

写真5.6.のように23番ポートから引き抜いたチューブと25番ポートのチューブに写真4のナイロンチューブ用のチャックを取り付けエアーを注入すると、スプリングブレーキの解除が可能となりキャビン内のパーキングブレーキ(サイドブーレーキ)をリリース操作すると同時にスプリングブレーキも解除します。

     
 
写真7
写真8 エアーチューブプーラー
 
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来月号ではSAVAハイプレッシャーエアーバックについて解説します。

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